障がい児・障がい者、家族の不安に寄り添う清須市きよすさくらの相談支援
新生児が減っているのに、障害児が増えているように見える理由
「出生数は減っているのに、障害のある子どもは増えている気がする」
この疑問は、多くの人が感じているものではないでしょうか。
一見すると矛盾しているようですが、実はこれは
社会構造の変化がいくつも重なって起きている現象です。
順を追って整理してみます。
① 出生数は減っているが「生きられる子」が増えた
最も大きな理由は、医療の進歩です。
超低出生体重児(早産・未熟児)の救命率が大幅に向上
NICU(新生児集中治療室)の発達
先天性疾患や染色体異常があっても生存できる時代に
かつては
「生まれても育たなかった命」が、
今は生きて成長できる社会になりました。
これは
「障害児が増えた」というより、
👉 生存できる命が増えた
と捉える方が実態に近いのです。
② 出産年齢の上昇(晩婚・晩産化)
晩婚化・晩産化は世界的な傾向です。
一般に、高齢出産になるほど
染色体異常
先天的疾患
発達に特性を持つ可能性
が統計的に高くなるとされています。
これは個人の選択や努力の問題ではなく、
働き方や経済状況、社会制度の結果として起きている現象です。
③ 「障害」の定義と診断精度が変わった
ここは非常に重要なポイントです。
ASD、ADHD、LDなどの発達障害は
以前は「性格」「育て方の問題」とされがちだった
現在は医学的・教育的に診断され、支援につながる
検査や制度が整ったことで、
今まで見えなかった子どもたちが“見えるようになった”。
つまり
👉 実際に急増したというより
👉 把握できるようになった
という側面が大きいのです。
④ 環境要因の影響も無視できない
完全に解明されているわけではありませんが、
次のような要因も指摘されています。
強いストレス社会
化学物質や環境汚染
妊娠中の栄養や生活環境
孤立した子育て、情報過多
もはや
「障害=遺伝だけの問題」
では説明できない時代に入っています。
⑤ 分母が小さくなり「割合」が目立つ
出生数そのものが減少すると、
絶対数が大きく変わらなくても
全体に占める割合は高く見える
統計上の「増加」の一部は、
この構造によって生まれています。
まとめ:本当に問うべきこと
新生児が減っているのに
障害児が増えているように見えるのは、
社会が命を救い、特性を理解し、支援しようとする段階に入ったから
これは「不幸な増加」ではありません。
むしろ、
社会の成熟が私たちに突きつけている課題です。
だから本当に問うべきなのは、
「なぜ増えたのか?」ではなく、
「どう共に生きる社会をつくるのか?」
低体重で生まれても、
特性を持って生まれても、
生きづらさを背負わなくていい社会へ。
今、私たち一人ひとりの視点が問われています。